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混沌の中にあるニューノーマル


2023.09.06

「ちょっと暇なんだけど、何か縫製の仕事ない?」

ごく一部の工場からではありますが、このような声が聞こえてきました。
日本の衣料品縫製産業で、何が起きているのでしょうか?

 

【日本の縫製・2023年9月の現実】

・円安の影響
・原料・資材・加工賃の高騰
・戻り切らない技能実習生(生産力・生産技術の低下)
・海外サプライチェーンの正常化
・進む廃業

 

【コロナ禍で国内縫製に起きたこと】

今の状況を考えるにあたって、やはり過ぎ去ったとはいえ、コロナ禍を考えないわけには参りません。
簡単に時系列に振り返ってみると…

・前半
移動制限による市場の冷え込み
海外サプライチェーンの崩壊
新規技能実習生の入国制限
マスクなど衣料品以外の縫製

・中盤
アイソレーションガウン縫製特需
特別融資や給付金による支援

・後半
国内回帰による仕事量の増大
資材原料を含む加工賃の上昇
一部工場の自主廃業などによる生産可能総量の低下

厳密にはもっとさまざまなことが起きていますが、 トピックの一部として、2023年初頭まで以上のようなことがありました。

 

【ある条件が揃うと工場にダメージか?】

2023年も9月…終盤に差し掛かりました。
そこで冒頭のような話が少し気になりました。

ある条件がそろった場合、このようなことが実際に起きるのではないかと考えています。
断定的なことは軽率に言えませんが、生産キャパシティ、取り扱いアイテム、取引先アパレルや商社の属性などが影響していると思われます。

「キャパが大きいから仕事が少ない、小さいから埋まっている」という、単純な話でもなさそうです。

ただし一部のアパレルの意向を考えたときに、海外へのシフトが復活していることは否めません。

コロナ禍では「今後は国内生産の時代です!だからキャパをください」と宣言していたアパレルメーカーの一部には、喉元過ぎればなんとやらで、海外比率をコロナ前の状態に戻しつつあるという噂も聞こえてきます。

 

【市場規模が戻っても予測の難しい縫製現場】

2019年(コロナ前)に比べて、心理的市場規模は80%ほどまで回復したと、私は感じています。
そして同時期に2%台と言われた国内生産比率ですが、その時と比較して市場規模が縮小している現在における、国内生産比率は1%台という情報もあります。
もしこれが正しければ、一時的に国内回帰が起こったのは事実であるが、また海外流出が起きていると考えられます。

私はジャーナリストでもなく、取材をしたわけでもないので、これ以上断定的なことは言えませんが、専門家の分析を待つまでもなく、目の前で起きている事実なのです。

(今は忙しいが)今後が予測できない。
何が起きているか正確にわからない。

と感じている方も、少なくないのではないでしょうか。

今現在の現場の感覚としては「混沌」という言葉になるのかもしれません。

このような状況下にある縫製工場の未来は、経営者の事業理念によって大きく異なったものになるのではないかと、日々感じています。

 

Takeshi Yomo