革、皮革、レザー、毛皮、ファーの名称
2026.02.27
一般消費者に意外と認知されていない現実。
制定はもう2年前になり、企業には浸透しつつあるものの、個人事業主や個人間取引において、まだ十分に認知なされいないと感じる場面が少なくありません。
まずは引用をご覧ください。
【「革」「レザー」の用語がJISにて制定/2024 年3月より「革」「レザー」と呼べる製品は、動物由来のものに限定されました】
「昨今、植物由来、石油由来の素材などが「○○革」「○○レザー」と銘打って商品化されたり、呼称されることにより、消費者が、靴・バッグ・鞄・財布・ベルト・アパレルなどをはじめとする、本来の革(レザー)製品と誤認して購入してしまう事態などが発生しています。
また、すでにイタリア・フランス・スペイン・ドイツ・ブラジル・ポルトガルなど諸外国では 「革(レザー)は動物由来のものに限定する」と法律によって定められています。
そのような背景の中、日本でもこの度、ISO規格の用語”Leather(レザー、革)”を基にしたJISが制定され、「革」「レザー」と呼べる製品は、動物由来のものに限定すると規定されました。
例えば、
1 アップル・キノコ・サボテンなどから作られた素材を「○○革」「○○レザー」とは呼べなくなりました。商品名などに使用することもできません。
2 「シンセティックレザー」「フェイクレザー」「PUレザー」「ビニールレザー」などと呼ぶことや、JIS で規定した以外の商品の名称に「レザー」「革」「スエード(スウエード)」「ベロア」「ヌバック」を用いることもできなくなりました。
3 革を細かく粉砕し、シート状に加工した素材を「ボンデッドレザー」「リサイクルレザー」「再生革」などと表記することも誤りとなり、「皮革繊維再生複合材」と呼ぶ必要がありますが、「ボンデッドレザーファイバ」「レザーファイバボード」とも呼ぶことができます。
4 不織布や特殊不織布、合成樹脂などを使って革の見た目に似せたものは「合成皮革」「人工皮革」と 表記しなければいけません。 その他、エコレザーについても、「環境に配慮して製造される革・レザー」であると規定されました。例えば、植物由来の素材や、革を細かく粉砕し、シート状に加工した素材などを「エコレザー」と呼ぶことはできません。
引用元:「お知らせ 一般社団法人 日本皮革産業連合会 2024 年7月9日」
【罰則はないものの】
先の引用の通り、JISでは制定されていますが、法的効力がある訳ではないので、罰則はありません。
とは言っても、消費者や取引相手が錯誤するような表現は、今後避けるべきです。
ちなみにこの制定の対象は、企業だけではなく、個人間売買の商品や中古商品に対しても同様であるということは、一般社団法人 日本皮革産業連合会に確認済みです。
特に現物が確認できない、ECや個人間のフリマサイトなどで、(意図的にではなくても)勘違いさせるような表現は、トラブルの元となります。
また対象商品はアパレル製品だけではなく、バッグや財布など身の回り品や、家具や玩具などすべての「製品」が対象となります。
今までなら多少は目を瞑ってくれたことも、十分な注意が必要になります。
なお、先の引用のなかで、ややわかりにくいのが項目「3」の部分でしょうか。
動物由来のものであっても、再生した場合は「革・レザー」と呼べなくなりました。
再生革(再生レザー)と言われてもピンとこないかもしれませんが、特にわかりやすく多用されているのがベルト類です。
表面は革のような加工でわかり辛いのですが、裏側を見ると細かく裁断されたものが密着している様子が確認できることがあります。
再生レザーは一般的に、引き裂き強度が弱いので(特に乾燥・劣化してきた状態)、それらを踏まえた商品選びが必要になるでしょう。
【例外も?】
これは個人的な考えですが、例えばSheinやTemu、AliExpressなど海外から個人輸入するような形態のECにおける表示に関しては、日本産業規格(旧日本工業規格)の影響が及ばないと考えられますので、各自の責任で購入する必要があると思います。
本来であれば日本も海外に倣って、法規制で厳格な管理をすべきだと思いますが、無いもをねだっても仕方ありません。
【毛皮・ファーに関しては】
現時点では、毛皮・ファー・リアルファー・フェイクファー・エコファーなど多様な呼称があるものの、やはり勘違いさせるような販売手法が見られるのが事実です。
これらのトラブルを回避するためには、毛皮及びファーの表記に関しては、元の生物の呼称を確認することで(例えば羊やタヌキなど)、トラブルの回避をするのが賢明かもしれません。
購入した高額商品の原料が「フェイク」だった…ということが無いように、またそれを狙った業者や個人に誤魔化されることが無いように、賢く商品を選びたいものです。
Takeshi Yomo


